敦煌から深夜に西安に戻った翌朝、さっそく動いた。まず近くのツアー会社へ。始皇帝陵に行くツアーを申し込もうとしたら、またしても中国の銀行口座と電話番号の壁。支払いができないので諦め、翌日自力で行くことに決めた。
次の問題は一眼レフの充電器だ。敦煌に向かう朝、咸陽空港のセキュリティで荷物をぶちまけた時に落としたらしく、以降ずっとスマホ撮影になっていた。モバイルバッテリーを補充しようとするも、言葉の壁と認識の違いがあってなかなか思うものが見つからず苦労したが、なんとかゲット。
ランチは名物のビャンビャン麺。漢字が複雑すぎて中国の子供達は絵描き唄ならぬ字書き唄で覚えるという有名な麺で、幅広でもちもちした食感が西安らしい。
午後は路線バスで阿房宮遺跡へ。秦の始皇帝が建設を命じたとされる宮殿跡で、現在は緑の公園になっている。
阿房宮、アホの語源~!と張り切って行ったけど普通に公園でした。そりゃそうか、無くなってるからこそアホみたい、って事になってるんだし。
隣接する秦阿房宮遺址展覧館も見学した。こっちもセットでようやく何かあった感。
ホテルに戻る前にアリペイでレンタサイクルを借りてみたら、返却時の決済に中国の電話番号が必要だということが判明。途方に暮れてホテルのフロントに駆け込み、現金を渡して私のアリペイに送金してもらうという荒業でなんとか解決した。
兵馬俑 キングダムの時代の息吹を感じに——
翌日、広済駅から地下鉄6号線で始皇帝陵博物院へ。
始皇帝陵はキングダムの聖地巡礼以外にも思い入れがある。
大阪出身の私は子供の頃、「中国 秦・兵馬俑展」が開催された際、学校の遠足として行った。そこに兵士や馬など一般的に兵馬俑として知られる以外にも当時の庶民の風俗を現したいろいろな像があった。その中に漫才師の像もあって、これ展示するの流石大阪!てか、昔の中国でもボケツッコミ文化あったんや!と感心したのを覚えている。そこに展示されていたのは始皇帝陵にある中の一部だと言う事だったのでいつか現地に行きたいなぁと思っていた。まあ、幼い頃はこんなにガツガツ欲望速攻現地に行くタイプになるなんて思って無かったけど。
キングダムの作品の中の嬴政は聡明で、永遠の命にこだわりまくったり、自分の墓デカくしてとか言いそうに無いけど、いつか歴史に残ってる残念な始皇帝と合致しちゃう線もあるんかしら、なんて今後の展開を想像したり。
合間に兵馬俑の形をしたアイスキャンディーがここにもあった。観光地として中国の人にも人気の始皇帝陵での名物らしい。
蕞——キングダムの聖地、鴻門宴遺址
帰りにバスで鴻門宴遺址へ。地球の歩き方には無料シャトルバスがあると書いてあったが、跡形もなかった。普通に有料バスで行った。
鴻門宴といえば歴史的には項羽と劉邦の会食の舞台として有名だが、私にとってここはキングダムの「蕞(さい)」だ。嬴政が自ら民衆の前に立ち、共に戦うことを訴えた場所。城門の跡や土塁を見ながら、あの場面を脳内で再生した。観光客はほとんどおらず、静かに妄想に浸れた。

西安城壁を夜まで一周
ホテルに戻る前に、安定門でレンタサイクルを借りて城壁を一周した。全周約14km。走り出した頃はまだ明るかったのが、だんだんと日が傾き、ライトアップが始まった頃には城壁の上が別世界のようになっていた。途中でショーもやっていた。この日は体力的にも気力的にも、かなり満足度の高い一日だった。
函谷関——合従軍編聖地巡礼
翌日はこの旅のメインイベント、函谷関だ。
地球の歩き方で巻頭で特集されていたくらいなので観光ルートとして成り立っているのかと思っていたのに、実際は全然そんなことはなかった。バスターミナルでどのバスに乗ればいいかわからず、中国のアプリで調べ直し、外国人IDでのチケット購入に手間取り、アナウンスが聞き取れずにぼんやりしていると、見かねた周りの人が手を引いて教えてくれたし、さらに先のローカルすぎるバス停で不安がっていたら教えてくれる人がいて、何度助けてもらったかわからない。
バスを乗り継いでたどり着いた函谷関歴史文化旅遊区は、入口からして広大だった。大きな看板があるので迷いはしないが、チケット売り場まで遠い、景区の入口まで遠い、函谷関本体まで遠い。途中に金色に輝く巨大な老子像があり、テンションが上がった。

コロナ前はキングダムの影響で日本人観光客が多く、それなりに賑わっていたらしい。その痕跡らしき看板の跡が残っていたが、今はすっかり寂れて「ただの広い公園」になっていた。寂れたテーマパーク感は否めない。
それでも、函谷関の城門にたどり着いた時はテンションが上がりまくった。キングダムで何度も見た場所に、自分が立っている。

展示されている井闌車(せいらんしゃ)は「ちっさ!」と思わず声に出るサイズだったが、それでも嬉しかった。

帰りは道路の反対車線側でバスを待った。時刻表はあるが信用できない。スマホは熱を持ちすぎて充電できなくなり、残り少ないバッテリーをだましだまし使いながら30分弱待ってバスが来た。三門峡南駅に着いてから西安行きの電車を待つ間、駅のカップ麺を買って、さらに缶ビールとポテチで時間を潰した。中国の駅には飲食用のお湯が置いてある。これは良い文化だ。
とにかくよく歩いた一日だった。函谷関への聖地巡礼、達成。
番外:聖地巡礼とアイス
中国の観光地にやたらあるその場所にちなんだアイスたち。
莫高窟
さすが世界遺産


始皇帝陵
人気観光地の貫禄



函谷関
パッケージ?そんなものはない


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